「METAL MEETING Vol.1」議事要旨
 
●日時:2004年12月6日(月) OPEN/19:00 START/19:30

●会場:ART COMPLEX 1928(京都)

●出席者:丹野賢一(パフォーミングアーティスト/丹野賢一/NUMBERING MACHINE)
     羊屋白玉(劇作家・演出家・俳優/指輪ホテル)
     さきら公募メンバーを含めた「026-METAL」スタッフ

●司会:樋口貞幸(ARTS STAFF NETWORK)

●書記:土谷ともこ

●主催:NUMBERING MACHINE

●当日の進行(プログラム)
1. 「026-METAL」の公演概要・起きた問題の説明
2. 「026-METAL」公演ヴィデオ上映(滋賀・栗東芸術文化会館さきらにて2004年10月10日収録)
3. 来場者とのディスカッション


● 内容
【1.「026-METAL」の公演概要・起きた問題の説明】(約15分)
丹野賢一より説明。主な発言は以下のとおり。

<「026-METAL」の公演概要>
「026-METAL」は滋賀県・栗東芸術文化会館さきらとNUMBERING MACHINEの共催企画。
9月17日から栗東入りし、10月17日まで1ヶ月の長期滞在型企画だった。公演の準備は地元の公募スタッフとともに進めてきた。
公演は総量約15トンの金属(鉄板・鉄パイプ・チェーン・エキスパンドメタル等)を使って、半径50mのさきら前広場で行う野外公演。当初は10月8日から10日までの3日間の公演予定だった。


<さきらからの中止要請・交渉の経緯>
さきらの近隣には数百戸のマンションがある。10月5日・6日と音楽のリハーサルが始まってから、近隣マンションの一部の住民から、音量に関する苦情が出てきた。
NUMBERING MACHINE側はさきらに対し、事前に音量の問題に関してはしつこいくらい話し合いをしていたし、了解も取った上で行っていた。 7日のリハーサルを終えた深夜、さきらの職員が「10日のみ」の公演にする事を提示してきた。NUMBERING MACHINE側はそれを拒否。交渉は翌日へ持ち越しとなった。


<さきらによる中止の強行>
今回の問題を、さきらの「暴挙」という呼び方をするには理由がある。
この問題は「音量」が問題なのではない。中止に関して、さきらとNUMBERING MACHINEで協議中だったにも関わらず、さきらがNUMBERING MACHINE側が知らないうちに、一方的に中止を強行したところに問題がある。
契約書には「中止は両者協議のもと行う」とある。しかし、7日夜・8日と交渉の最中、了解事項が出来ていない段階にも関わらず、さきらは中止連絡を予約客・招待客・マンションの住民に対して行い、駅・さきら構内に中止看板を立てていた。(公演は、8日はリハーサルという名目の無料公開で行われ、9日は中止とされた。)


<「METAL MEETING」を行う理由>
今回の問題を、単なるさきらに対する意趣返しに終わらせたくないという思いがある。

「METAL MEETING」を開催するに至った理由として、以下の2点がある。

1.公共ホールのシステムに対する問題提起をしていくため
公共ホールでの公演が一方的に中止になったり、共催が突然取り止めになるケースが他でも起きている。
なぜ公共ホールでこんな問題が起きるのかを考えた時、公共ホールが持つ問題点は日本の社会システムが持つ問題と同じなのではないかと考えた。
単にさきらに対して謝罪要求をするだけでなく、自分たちの様な思いをする次のアーティスト・観客を出さないためにも、この活動が公共ホールを変えていく一つのきっかけになれば、と考えている。

2.再演へ向けての活動を行っていくため
アーティストとしてこの問題にどう立ち向かうかを考えた結果、再演を行うという思いに至った。
今回の公演を不幸な状況のままにしないためにも、再演に向けての活動を行っていく。


<再演に向かう事で生まれる 前向きな展開>
1.観客にもう一度作品を見て頂くチャンスを作ることが出来る
今回の公演は、さきらによって8日をリハーサル・9日を中止とされた。帰されたり、来させなくされた事によって、作品を見て頂けなかった方がたくさんいる。この方々への誠意の見せ方として、もう一度作品を見て頂くチャンス(=再演)を作りたい。

2.再演を行う事は作品の成長や人との新たな繋がりを生むチャンスにもなる

3.公共ホールの問題点を提起していく活動にもなる
今回の問題自身を前に出しながら再演に向けての活動を行う事は、公共ホールが持つ問題点を常に話題にしていく事にもなる。

4.新たな公演の成り立ち方(予算)を考える機会になる
再演を行うには、予算・場所の問題がある。予算面でも、入場料収入や既知の助成金を取って行う以外の公演の成り立たせ方を考えていく機会にもなる。


【2.「026-METAL」公演ヴィデオ上映】(約60分)

【3.来場者とのディスカッション】(約55分)

来場者を交えてのディスカッションには、丹野・羊屋の他、「026-METAL」スタッフも参加。
「026-METAL」事件だけでなく、公共ホールの現状などにも話題がおよび、さきらだけにとどまらない、公共ホールが抱える問題についても意見が交わされた。

ディスカッションの冒頭、丹野、羊屋により、今回の問題点等について説明が行われた。主な発言は以下のとおり。


<さきらが行った暴挙>
1.中止の強行と隠蔽
丹野:
中止に関して交渉中にもかかわらず、さきらは一方的に中止の発表を強行。それをNUMBERING MACHINE側に隠して動いていた。
(契約書には「中止は両者協議のもと行う」とあり、この行為は契約違反でもある。)

2.中止理由の捏造
丹野:
観客には、公演の中止理由を「台風のため」と説明していた。これは明らかに捏造。
NUMBERING MACHINEとの交渉で、問題とされていたのは「近隣からの音量に関するクレーム」のみ。
さきらはマンションの住民へも「音量で迷惑をかけたため、10日のみの公演にする」とのチラシを配付していた。
9日の台風はそれて、実際には来なかった。


<さきらが捏造を行った理由>
丹野:
さきらと近隣住民の間に問題が起きている事を外に出したくない、つまり「問題をなかった事にしたい」ためと推測される。


<公共ホールがもつ天下りの問題>
丹野:
さきらには、「アート」や「観客」の存在は視野に入っていなかった。彼らが考えていたのは、「さきらの立場」と「一部の近隣住民から出た苦情の処理をどうするか」という事のみ。「アート」「観客」の事を若干でも考えていたのは担当プロデューサーだけだった。
さきらをはじめ、公共ホールの上層部は元公務員等、天下りの人ばかり。アートに特に関心を持たない人が要職に就いている。
少なくとも「アート」に関心のある人にその職について欲しいし、そうではなかったとしても、その担当となった以上は関心を持つ勉強をしようとする姿勢、関心を持つ層の視点に立って物事を考える事は最低限必要だと思う。それが上に行けば行く程無い印象である。また僕らを気に入らない、潰そうとするのならば、まだ話が分かりやすいとも言えるが、そうでは無く彼らはただ無かった事にしたいとしているように感じる。言い変えれば思想が無い。これが非常に厄介である。

羊屋:
未だにびっくりしている。
とても悔しかったり、残念だったりする気持ちや事実をどこにどうやって投げかければ良いのか分からない、探している状態。
今年の夏、名古屋市で燐光群という劇団が一方的に公共ホールから共催を降りると言われた問題もあった。
ここでもホール全体という形しか見えず、個人の誰と話したら良いのかが分からない、人が見えないという声があった。
誰に何を言えばいいのかを知りたい。考えていかなければならない。

ディスカッションの主なやり取りは以下のとおり。


<今回の問題に対する来場者の感想>
来場者:
私も8日に行こうと思っていたが、中止の報を聞いて行けなかった。後日、知人から問題があった事を知った。
今回の出来事はアーティストにとっては良くない事件も起こったが、この企画自体をやろうとした人がいた事は、いい事だと思った。普通ではやらない凄い事をやろうとしたのに何で?
無理な事をやろうとしたのであり、問題を含めてそういう出来事であったのだと思う。出来事と止めるだけには出来ないという、アーティストの意見もわかる。


<裁判に関して>
来場者:
本番に加え、建設中にも会場を訪れた。栗東という、自分としては10分もすれば居辛くなるような健全で平和、狂気とか暴力といった負の面もありえるアートの居場所が無い印象の町であの公演をするという事が魅力的だった。やろうと思ったさきらの企画の方は凄いと思う。こういう形で問題になって欲しく無かった。やって良かったという形になって欲しかった。
自身も台風で中止との電話を受け、大変ですねとさきらの人に同情していた。今思えば嫌味だったかも(笑)。
今回の事をアーティストの独りよがりにしない、好きな人が好きな事をやっているというようにしない為には、さきらが契約違反をしたという部分を出す事が多くの共感を得られる方法ではないか。
公の権力を持つ人が、権力を持たない、いちアーティスト集団に対して一方的に契約違反をした事は問題だと思う。法律の専門家に相談されてはどうか?

丹野:
法律の専門家への相談はした。
その意見では、金銭的には、さきらから契約した作品製作費などは全て支払われている為、裁判に訴えるとなると慰謝料請求か謝罪要求になる。
取れて20万円位、また勝てるとは限らない裁判に費用として200万円位かかり、且つ数カ月仕事も出来なくなるかもしれないのは、やはり現実的では無い。
また、実際に台風が近くに来たという事実がある。とすると、音量の問題があろうとなかろうと中止になったのではと判断される可能性がある。中止という決定の中にさきらの問題があるという因果関係が崩れる可能性もあり、争点を維持する事も難しいかもしれないという問題も指摘された。

司会(樋口):
中止の場合の規約はあったのか?

丹野:
「やむを得ない事情」の場合の中止に関しては「双方協議の上」という条項が契約書にある。
協議の最中、何ら結論の無い状態でさきらは中止の発表を強行した。
これは裁判制度の問題にもなってしまう。ともすれば、貧乏人は戦いようが無いともなってしまい、裏の社会がある事も理解出来てしまう。


<さきら側の意見>
司会:
さきらがNUMBERING MACHINEをやるというのは衝撃だった。しかもこれを一ヶ月の滞在型でやろうとするのは凄いチャレンジで、それに対しては評価したい。
こういう場にも、さきらの担当プロデューサーが来ている事も評価する。
(さきらの担当プロデューサーの)山本さんから、事実関係が違う事があれば発言して欲しい。

さきらプロデューサー・山本氏:
事実です。
ただ、内部で言語や理解の違いがあるとすれば、協議があったという事やその内容の認識についてである。


<アカウンタビリティ(説明責任)>
司会:
利害関係者に対するアカウンタビリティ(説明責任)を果たしたか?
これは劇場側・アーティスト側、双方にある。
さきらは中止の理由を、近隣住民には音量の問題と説明し、観客には台風のためと言っている。これはおかしい。つまり説明責任を果たしていない。
アーティスト側は劇場に対して、また近隣住民に対して説明責任を果たしたか?

丹野:
近隣との音の問題については、担当プロデューサーの山本氏と相当にしつこいくらい打ち合わせをし、大丈夫だという了承も得ていた。
その上でも更に、当初から必要があれば僕ら自身が住民に説明に行くと言っていたが、さきら側からその要請はなかった。また数百戸世帯があり、一戸一戸回るというのはかなり難しいという状況もある。
こういった大事になる前に、僕らと地域の人達との間に問題が起きたり、軋轢が生まれていたかというとそうでは無い。
寧ろ逆であり、毎日作業を覗きに来たり、話し掛けて来る人達がいた。その際には、作業の手を止め、会話や様々なコミュニュケーションを取っていた。
住民全体への説明・広報は行っていないが、日々の地域住民との関わりの中での感触は悪いものでは無かった。音が入る以前は現場に来たクレームも無かった。
マンションから見えるところからやっていたので、舞台装置の組み立て作業自体が広報であったともいえる。


<公共ホールとのパートナーシップについて>
来場者:
アーティストが単独でなく、公共ホールとのパートナーシップを持って公演を行う場合、パートナーシップをどのように持っていくのが良いか?
アートワークをする際、ある程度周りとの交渉を公共ホールに任せざるを得ない状況もある。どのようにしていくのが良いのか。

丹野:
ある程度公共ホールの担当者に任せるやり方は正しいと思う。いくら長期滞在とはいっても、ずっといるのは現地の公共ホールの人間であるし、それ以前の事はわからない部分もある。
今回の場合、担当プロデューサーに騙されたという気分が強くある。自分たちは大丈夫だと言う意見を信用していた。しかし実際には大丈夫ではなかった。
大丈夫ではないからどうするかを一緒に考えてやろうよ、という風にはならずに一気に上層部から中止にされた。
何度も下見をし、状況判断し、不安要素を提示した答えが、「大丈夫」であれば信用するしか無い。
以前に山梨で野外公演を行った時には、戸数が少ない町でもあり、一戸一戸挨拶周りをした。結果、皆公演を観に来てくれた。
しかしさきらの周辺の場合、相当な戸数があるマンションであり、個人個人に挨拶に行くのではなく、自治会長・マンションの管理者といった風にならざるを得ない。代表者同士での話が必要であり、常にそこにいる公共ホール側がその為の一定の作業をする事は必要かと思う。

公演を中止にしないために、10月9日にマンションの自治会と交渉を行った。
自治会長はNUMBERING MACHINEの制作者と交渉して、さきらが一方的な事をしていたという事実を初めて知った。自治会長は「8・9日は中止にし、10日はやらせて欲しい」という要求はアーティスト側からのものだと思っていた。
それを知り、自治会長も「それだけいうなら10日はやらせてあげたい」との気持ちになったが、最終的には今から中止決定を覆すことは難しいとの判断であった。
自分(丹野)かマンションの副自治会長どっちが自決するかという話に及ぶまで追い込まれていた。結局、間でさきらはアーティスト側にも住民側にも誠意の無い対応をしていた。
よく「お役所仕事」と言うが、さきらの場合はそれの本当に酷いヴァージョンだ。
耳にした電話の対応もそうだし、アルバイトのスタッフに対する言葉遣いや態度も含め、どこかで自分達が金を払ってやらせてやっていると勘違いをしているのではないか。
これは他の公共ホールでもあるのではないか。


<滋賀県の公共ホールの現状>
来場者:
滋賀県は公立の文化ホールが5つあったが、これらを潰すらしい。
滋賀県は都会の田舎である。都会の田舎とは中心が無い事。
びわ湖ホールが出来たのでいらなくなった。スクラップ。潰す。

来場者:
2004年度末で5つのうち3つを潰す事が決まっている。職人さんの収入が無くなる。

来場者:
そんな県なんだ。
びわ湖ホールなんて作ったから県は困っちゃってる。そんなレベルじゃ無いのに作っちゃった。
困っている所で、さきらなどという真っ当なアートセンターも作っちゃった。
無理なんです。追い付かない訳。皆どうしたらいいんだろうって。
パリなどがやっている事をやろうとしている。無理がある。


<行政、公共施設の事実隠蔽>
司会:
確かに無理があるかもしれないが、行政、公共施設が「事実を隠蔽しようとする」行為は「文化」と関係がない。
しかしそれを平気でやろうとする事例が各地で起こっている。
例えば、1986年には富山県立近代美術館が図録まで消去する事件が起き、今年も横浜美術館が高嶺格氏の作品を無かった事にしようとした。
行政が無かった事にしようとする事が、どれだけ危険な事かは認識した方が良い。
今回は、さきらが台風を隠れ蓑にして、事実をなかったことにしようとした。

来場者:
台風はさきらにとっては「神風」だったのだろう。

丹野:
10月9日、来て下さった観客へ中止の経緯説明会をする際、配布する説明の文書にさきらの検閲が入った。
「文書で紙に書いたら残るから」という理由で副館長が検閲を行い、内容の書き換えを要求された。
文化に関わる施設の要職についている人が平気でこういう事をやる。しかも「検閲」をしているという意識が無い。
一方で、彼等の一存で全てが動いてるわけではない部分もある。ファシスト的というよりは、民主主義的に何となく総意というものが作られていて、その合意の元で動いている部分もあり、それが非常に厄介である。


<公共ホールへの天下りについて>
来場者:
上層部はさきらに携わってきた年月が長くないので、訳が分かっていない。
今回の公演に関しては、いいという人もいれば、悪いという人もいるのが当たり前なのに、事なかれ主義で「1人も文句を言う人をだしてはいけない」という空気がある。
この公演の実現に向けて費やしてきた5年の歳月を無視して、「訳の分っていない人」が、住民に迷惑をかけたという理由で公演を中止してしまった。

丹野:
ある劇場プロデューサーはこんな事件を起こせるのは丹野しかいないと喜んでいた。
逆に考えれば、あれをやったのだから、あそこまで問題にならない公演はやり易くなったとも言えるのではとも話していた。
現場の人間はそういう視点もありであると思う。
私もこの問題を嫌な事だけにしたくないし、現場もネガティヴだけでは無い逆手に取るような視点も持って欲しい。

来場者:
お役所の人っていうのはうらやましい訳ですよ。何で(公共ホールの職員の中に)アートを分かっている奴がいるんだって。
叩く所を見つけようとしている。尻尾が出たら「ワーッ」って叩く。嫉妬の塊だから。男は嫉妬の塊。
尻尾を出してしまうと駄目。アートマネージャーもプロデューサーもそうやって鍛えられていく。
が、アーティストとの信頼関係は結びたい訳で、どうやって生きていくのかは、大事だ。
ただ、公共ホールの人間も食わなければならない。食わなければアーティストを支援出来ない。
民間ホールもそれだけでは成立しないと思う。
公共ホールがあるから、無駄なもの、これからのもの、市場原理では成立しないものともコラボレーション出来る。

丹野:
具体的に公共ホールのシステムとか、そこにいる人達の思考をどう変えていくかとなると見当がつかない。が、変えていくしかない。

来場者:
指定管理者制度は凄く良いと思う。

来場者:
公務員で、仕事の出来るタイプの人は役所に残る。スキルもそうだが、出世も出来るから。
出来ない人に早く辞めてもらうためのポストが用意され、(公共ホールに)天下ってくる。
それが慣例というか、システムというか。


<公共ホールと地域住民・アーティストの関係作りについて>

司会:
(山本氏へ質問)過去を振り返ってみて、どうすればよりよい形で公演ができたと思うか?よりよい方向へ持って行ける可能性はあったか?

さきらプロデューサー・山本氏:
さきら内部、近隣住民の味方を早く作ることが必要だった。

丹野:
自治会長は今回の「METAL MEETING」のチラシをマンション内に貼ろうとしてくれていた。実現はしなかったが、自治会長は応援してくれている。

司会:
(山本氏へ質問)住民との新たな接点は生まれそうか?

さきらプロデューサー・山本氏:
顔の見える付き合いをしたくても、自分の立場では直接自治会長に会いに行けないシステムがある。

丹野:
それは山本さんの怠慢では。人が人に会いにいけない訳が無い。

来場者:
役人の中にいると、自分が直接をやることで、事態がこじれることが多い。

丹野:
それはやり方もあるのでは?
また、我々も公共ホールの企画に、完璧な形で呼ばれる訳ではないのはわかっている。
アーティストを呼ぶ人(今回は山本さん)との関係の中で、その人が持ってしまっている問題を一緒に考えていくようにした方がいいと思う。
立場を変にアーティストはここのラインまでとか、しない方が良い。
アーティスト側も公共ホールはここまでやってくれなきゃ困るという要求ばかりではまずい。共にやる事が必要。

来場者:
アーティストもそうだろうが、公共ホールの担当者はぼろぼろ。
ぼろぼろだという事をアーティストにも分かって貰ってお互いのぼろぼろさの中で、どうやって生きていくか。
日本は全部ぼろぼろ。ぼろぼろだという事を分かってやった方がいい。

司会:
さきらにもこの機会をポジティヴなものにして欲しい。
今回のミーティングは丹野側の主催の機会だったが、もしさきらが機会を持つのであれば、一緒に考えていきたい。



議事録作成/土谷ともこ、丹野賢一
発言は、要約及び発言をそのまま文章にした場合に分かり辛いと判断した場合、意味が変わらないよう留意した上で一部編集しています。