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DANCE SCENE IN JAPAN
東京ダンスシーン 2002年4〜10月
ジャパニーズ・ポップ・ダンスを見る

季刊「DANCEART」(ダンスカフェ)No.25(2002年12月20日発行)
西田留美可

STUDIO VOICE PHOTO  勝手に名付けたジャパニーズ・ポップ・ダンス。
近頃人気のコンテンポラリーダンスに共通して見えるのは、どこかおしゃれ、何ともキッチュ、猥雑な中に光るカッコよさだ。
マンガ、テレビ世代の鋭敏なビジュアル感覚に独特のファッション性。サブカルチャー風、非芸術至上主義的に見えるのだが、確信犯的戦略もあり、うまく転べば日本発ムーブメントにもなるかもしれない。
うまく行かない場合の末路は別の機会に考えよう。
軽く見えるが軽くない、しかし重いことが重く見えない、その風変わりなバランスを楽しむ人達が、世界にどの位いるものなのか、今後の展開が楽しみだ。

(中略)

●『PUNK EXECUTION』丹野賢一(西荻WENZ8月17日)

 丹野風ポップダンスは、劇画風なビジュアル展開と、シャウト系クライマックスの演出で、きらりと独特のカリスマ性も見せるパンクポップ。これをポップな作品と思わない人も多いだろう。
だが今までの作品と並べてみれば、彼がポップな作品も作れるし、作りたいこともあるのだ、とわかってくる。かつての仕事の中には見せなかった要素も見え、変容の兆しを感じる。
肉体の有限性を顕わに突きつけ、自虐的に弄ぶかに見せるかと思えば、ミニマル音のリズムに委ね、踊り戯れる身体も見せた。
過去の作品の抜粋映像を、キーワード(作品の中で大量に用いられた素材名で、ボルト、鏡、シャベル、パウダー、ラグなど)とともにオムニバスに並べたのも、自らの過去の時やこだわりをシャッフルし、相対化するためだったのだろう。
オムニバスにつなげた分、個々の重さが軽くなったということはあるかもしれない。
特筆すべきは、マンガ映像も含め、記録以外の映像を担当したのが奥睦美であったことだ。※【注】
アーティスト同士がどのように意気投合し、どう触発しあうのか、その足跡も知りたく思った。

(後略)



※【注】奥睦美氏が担当したのは、開場時に投影したアニメーション作品「SAMPLE」。作品間に投影した「011-DOTアニメーション」は奥秀太郎氏の作品。名字の一致は偶然。


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