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丹野賢一「002-BARB」 有刺鉄線と絡む真摯な身体
STUDIO VOICE 2003年4月号 PLAY欄

STUDIO VOICE  得てしてヒトは自分の身体のことがあんまり見えていない。
鏡に映し出される自分の姿なんてほんの一角。
大きな鏡を前にしてレッスンしていても、だ。
とりわけバレエのような既存言語をもたない、現在の身体表現にあっては、発信者と受信者の間に大きな溝があり、それゆえソロ・パフォーマンスは面白いとも言える。
パフォーマーの意志がどうであろうと、一定の時間それを観つづけることで観客はそこに密かな愉しみを見いだす。
それはデタラメな解釈によるストーリー展開だったり、奇妙な感情移入だったり、本来的には正しい鑑賞態度とはいいがたいが、そんなふうに目の前の身体に夢中になれるのは心地いい。
丹野賢一というパフォーマーは持続性というより空間演出に鋭敏だと思う。
そのこうえんはいくつかの絵として記憶される事が多い。
今回の有刺鉄線を張り巡らせた舞台では、蛍光管を割ったり塗料が飛び散ったりするという。
なんだかむやみに興奮してしまいそうな予感。


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