トップページへ
壁を破壊する“アート”
山陽新聞 2004年7月16日朝刊 文化欄
芸術活動を通じて街の活性化に取り組む岡山市のNPOミーツは、空きビルになっている上之町会館(同市天神町)をアート系の工房が入居する「プロジェクトファクトリー」として整備している。十八日には、東京のコンテンポラリーダンサー丹野賢一が、作品発表の空間・プレゼンテーションスタジオを作るための内壁を壊すユニークなパフォーマンスを行う。
上之町会館は、市立オリエント美術館の西、甚九郎稲荷の境内にあり、鉄筋三階建て。昭和三十年代に建築され、上之町商店街の従業員宿舎として使われていたが、昭和五十年代から倉庫になっていた。
「プロジェクトファクトリー」は、「県内外のアーティストのための施設を」とミーツが、上之町商店街から借り受けて計画。二階の一室はカフェ、三階は宿舎を利用し、靴、服の工房、写真スタジオなどが入居、アーティストの滞在可能なゲストルームも設けられており、運営は入居者で行う。
十八日のパフォーマンスは、ダンスの多彩な表現を紹介するDamda!(小石原剛代表)※【注】が、壊すこともアートとして見せようと企画。プレゼンテーションスタジオにする二階の四部屋の壁などを、犬島アーツフェスティバルにも出演した丹野が、ハンマーやチェーンソー、体当たりで次々と砕き、アートスペースに変えていく。
午後六時半開演。三千円(前売り二千五百円)。傷害保険の加入、ヘルメット、ゴーグル、マスクの着用の同意が必要。定員四十人(先着順)。チケット予約はEメール(office@damda.net)。問合せはDamda!(086-225-0874)。
※【注】正しくはDamda!の代表は、倉知桂子氏。